その答えを模索する中、私たちは「子育て」というものが自分自身への思いだけでなく他者に対する思いを変えること、人から受ける影響や人へ与える影響が限りなく大きいということを、改めて実感しました。そして辿り着いたのが、「共同養育」という考え方です。「共同養育」とは、単に、子どもの世話をみんなで一緒にやる、という意味だけではありません。母親と子どもが安心して暮らしていける生活基盤を守ること、子育てを無事に行える環境(コミュニティ)を整えること。それこそが、「共同養育」なのです。それは、人類が700万年という進化の過程で築きあげてきた尊い仕組みでした。
しかし、今の日本は暮らし方や社会の変化とともに核家族化が進み、その結果、子育ては孤独なものとなり「共同養育」の機会や場を失ってきています。人類が長い歴史の中で培ってきた子育ての基本である「共同養育」を喪失するという、この非常事態に戸惑うのも無理はないのです。このような子育ての危機的状況を改善するために、私たちは再び「共同養育」の機会や場を作りあげていかなければなりません。そのためにはまず、夫婦、家族、友人、同僚など「子育て」を囲む周りの人たちとお互いの状況を理解し合うことが不可欠です。そして、どうすればより良い子育てができるのか知恵を出し合い、お互いに支え合い寄り添って話を聞き合える関係を築いていくことがとても大切なのです。
私たち一般社団法人日本ハプトノミー協会は、マタニティケア・ベビーマッサージの推進・啓蒙を通してこの「共同養育」の機会や場を増やし、〈子育ての新しい形〉を提案していきたいと考えました。
フランス式の基本でもある「対話」と「タッチ=触れる」は「ハプトノミー」という考え方に基づいています。この「ハプトノミー」を学び、産前から産後まで、そして子育て全体に寄り添えるセラピストになれば、現代の日本社会に合った育児スタイルとなる「共同養育」の機会と場を作り出すことができます。ぜひ、「フランス政府公認」のマタニティケアやベビーマッサージのセラピストとして、新しい育児のスタイル、コミュニティを一緒に作りあげていきませんか。そして、みなさまとともに、より健康で笑顔あふれる社会づくりへ貢献していければと願っています。
日本ハプトノミー協会(JHA)
会長
安永 智子
団体名 | 一般社団法人 日本ハプトノミー協会 (JAPAN HAPTONOMY ASSOCIATION) |
代表者 | 理事長 安永 智子 |
事業内容 | ・マタニティケア ・ベビーケア |
加盟団体 | ジャパン・コスメティックセンター(JCC) |
Skinhaptics | http://skinhaptics.jp/ |
池川 明
1954年東京都生まれ。帝京大学医学部大学院修了。医学博士。
上尾中央総合病院産婦人科部長を経て、平成元年横浜市金沢区に出産を扱う有床診療所池川クリニックを開設。平成28年まで毎年100件ほどのお産を扱い現在に至る。2001年9月、全国保険医団体連合医療研究集会で 『胎内記憶』について発表したのが、新聞などで紹介され話題となる。現在、胎内記憶の普及をはかり妊娠・出産・育児でそれぞれの人が豊かな人生を送ることができることに取り組んでいる。
<著書>
『なぜ、あなたは生まれてきたのか』青春出版
『ママのおなかをえらんできたよ 』二見書房
『赤ちゃんと話そう!生まれる前からの子育て』学陽書房
など
山口 創
現職、桜美林大学リベラルアーツ学群 教授
博士(人間科学) 臨床発達心理士
1996年 早稲田大学大学院人間科学研究科終了
早稲田大学人間総合研究センター助手
1999年 聖徳大学人文学部講師
2008年 桜美林大学リベラルアーツ学群 准教授を経て
現在 桜美林大学リベラルアーツ学群 教授
<主な著書>
「子供の『脳』は肌にある」(光文社新書)、「皮膚という脳」(東京書籍)、「皮膚感覚の不思議」(講談社ブルーバックス)、「手の治癒力」「人は皮膚から癒される」(草思社)など多数。最新刊は「皮膚は「心」を持っていた!」(青春出版社)。